一般的に製パンに利用される油脂としては、バター、マーガリン、ショートニングが代表的なものとなります。
油脂を生地に添加する効果は、パンを柔らかくする、スダチを均一にしツヤを出す、水分を保持し老化を遅らせる、生地の伸展性を良くしパンのボリュームを出す、油脂の味や香り・風味を付ける、等があり、食パンを食べやすく柔らかさをなるべく長持ちさせる為には使用したい材料となります。ですが、油脂の取り過ぎや最近話題のトランス型脂肪酸の体への影響が気になるところです。
そこで
fulffyでは、パン生地に使用する油脂として国産の良質バターを少量使用することを
基本としています。
少量の使用にすることで、脂肪分の取り過ぎやトランス型脂肪酸の影響を(※)海外規制値以下に抑えています。
※ デンマークでは食品に含まれる脂肪中トランス型脂肪酸含有率は2%以下と規制されています。 余談ですが、近々「脂肪税」なるものも制定されるとか!
また、米国、カナダ、フランスではトランス型脂肪酸の含有率表示の義務化がおこなわれています。(日本では表示義務が無いので、普通の表示で含有量を知る事は出来ません)
日本では海外と比べ油脂摂取量が少ない上、リノール酸などの善玉油脂を多く摂取している為、規制の必要がないとされています。 ちなみに、国産バターのトランス型脂肪酸含有量は約1.7%、一般的マーガリンは約4~13%、一般的ショートニングは約15%
・・・ですが 現在、昨今の国内産バターの不足が続いている中で、
残念ならfulffyでも100%バターのみを使用することが出来ない状況となっています。
国産バターの流通量が元に戻るまでの措置として、乳脂肪分がバターより少し少ない(バターの規格は80%以上)77%以上の国内産の乳加工品(規格上バターと表示出来ない)やトランス型脂肪酸フリータイプの有機植物(パーム)油脂を、なるべく味にも影響が出ない様に補って使用していきます。また、今後は海外産バターも安全性やコスト面を検証して安心して使えるかどうかを確認したうえで、場合によっては使用を検討して行きます(あくまでも回避的措置です)。
<2012.9.2追加記載>
お客様より 現在の使用油脂について良くご質問を受けますので
ここに明記させていただきます
当店オープン以来使用している油脂は
国内産乳加工品(乳脂肪分77%以上)規格のみを使用しています
(簡易的に 「国内産バター同等品」 と認識して戴ければ良いと思います)
海外産バターや植物油脂、ショートニングは一切使用しておりません
国内のバター流通事情に変化が無い限りは、このまま変更の予定はありません
<2017.9.13追加記載>
当店オープン以来、使用する油脂を「国内産バター」の購入を要望してきました。
今までは残念ながら、乳脂肪分77%以上というバター同等品でないと安定した購入が難しかったのですが、
今年初め辺りから、「国内産バター」の購入をすることが出来るようになりました。
ただし、購入可能量が不安定であることは変わりは無いため、
購入先商社を複数から購入できるように働きかけを行ったことで、
何とか当店で使用する油脂量の全量をカバーすることが出来るようになりました。
これにより、現時点で当店にて使用している油脂は、
「国内産バター」(ちなみに、全量「無塩よつ葉バター」です)となっております。
<2019.6.10追加記載>
前回記載(2017.9.13)から現在まで、使用油脂は全量北海道産の「無塩よつ葉バター」です。
国内のバター流通量は依然不足気味ではありますが、大手の製パンメーカーなどはその不足量を補うために、
輸入バターやマーガリンなどへの置き換えをしている事もあり、当店の様な小さなお店への国産バターの流れ着きがあるようです。
ある意味助かっているという感じでしょうか。
ただその国産バターも、一般市場(スーパーなど)優先や、生乳(牛乳として)流通量を優先確保もあり、
業務用流通量は回復傾向感は全くなく、むしろ値上げばかりが続く厳しい状況に変わりはありません。
当店では、今後も引き続き国産バターのみで対応をしていく予定です。
何れにしても
市場流通の状況に合わせ、かつトランス型脂肪酸値を押さえた上で美味しいパンを作れる良質な材料を使用して行きます。